【プロフィール】前田和摩は何者?報徳学園高校から東京農業大学へ
前田和摩選手は、2005年1月16日生まれ、兵庫県西宮市出身の長距離ランナーです。東京農業大学国際食料情報学部に在籍し、2026年度は大学4年生。トラック競技で日本トップクラスの記録を持つ一方、箱根駅伝でもチームを引っ張る存在として注目されています。
東京農大陸上競技部の公式ブログによると、前田選手は小学校4年生から中学3年生までサッカーに取り組み、本格的に陸上競技を始めたのは高校時代でした。競技歴の長さだけでなく、高校入学後に急成長した点も特徴です。
出身校の報徳学園高校は、兵庫県の陸上競技の強豪校として知られています。前田選手は2022年の全国高校総体(インターハイ)男子5000mで日本人トップの4位に入賞。2023年1月の全国都道府県対抗男子駅伝では5区を走り、区間2位の成績を残しました。
高校時代から全国レベルの実力を示していた前田選手は、2023年春に東京農業大学へ進学します。大学1年時の関東インカレ男子2部5000mでは4位に入り、同年6月の全日本大学駅伝関東地区選考会では10000mを28分03秒51で走破。東農大の本大会出場に大きく貢献しました。
進学先を選んだ背景について、2023年の日刊スポーツのインタビューでは、自分に合った練習環境に魅力を感じたことが紹介されています。前田選手は、無理に追い込むのではなく、自分に合った方法で練習を積み重ねる考え方を大切にしてきました。
こうした競技への向き合い方は、後に故障で長期間走れなくなった際にも意味を持ちます。単に速いだけではなく、自分の身体と向き合いながら成長を目指す選手であることが、前田和摩というランナーを理解するうえで欠かせません。
【10000m27分21秒52】U20日本記録と日本人学生最高記録の実力
前田選手の名を陸上界に強く印象づけたのが、2024年5月3日に開催された第108回日本陸上競技選手権大会の男子10000mです。当時大学2年生だった前田選手は、実業団のトップ選手が集まるレースで27分21秒52をマークし、3位に入りました。
この記録は、当時の日本歴代5位、日本人学生最高記録、U20日本新記録、U20アジア新記録に相当する快走でした。日本陸上競技連盟の公式記録でも、27分21秒52は2026年時点で男子10000mのU20日本記録として掲載されています。
19歳で日本のトップ選手と互角に競り合った事実は、前田選手の能力を考えるうえで重要です。学生駅伝で活躍するだけの選手ではなく、将来的に日本代表として世界の舞台を目指せる可能性を示したレースでした。
日本陸上競技連盟の大会後のコメントでは、前田選手はペースを刻む先頭集団についていき、最後まで粘り続けることを意識していたと説明しています。記録を強く意識するよりも、目の前の展開に対応し、自分にできる走りを出し切ることに集中した結果でした。
ここで押さえたいのは、日本人学生最高記録と日本学生記録は同じ意味ではないという点です。日本学生記録には外国人留学生の記録も含まれます。一方、前田選手の27分21秒52は日本人学生最高記録として評価されるものです。U20日本記録という年齢区分の記録とも区別して理解する必要があります。
また、10000mの記録だけで箱根駅伝の区間順位を予測することもできません。トラックでのスピードに加え、20kmを超える距離への対応力、起伏や風への適応、他大学のエースとの駆け引き、年間を通じて練習を継続できる身体の状態が問われます。前田選手にとっては、この高い潜在能力を駅伝の結果へ結びつけることが、大学生活後半の大きな課題となりました。
【箱根駅伝の成績】1年生・3年生・4年生の記録を比較
前田選手の箱根駅伝での歩みは、好記録を残した1年時、故障による離脱、そして復帰後の再挑戦という流れで整理できます。10000mの記録が注目される一方、箱根駅伝の本戦では、出走した区間でどのような結果を残したのかを確認することが重要です。
東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録や、日刊スポーツ、月陸Onlineなどの報道をもとに、主な成績をまとめました。
| 時期・学年 | 大会・種目 | 記録・順位 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| 2023年10月・1年 | 第100回箱根駅伝予選会 | 1時間1分42秒 | 日本人トップ。東農大の本戦出場に貢献 |
| 2024年1月・1年 | 第100回箱根駅伝・7区 | 1時間4分13秒、区間13位 | 箱根駅伝本戦デビュー |
| 2024年10月・2年 | 第101回箱根駅伝予選会 | 出走せず | 肺気胸の影響などで欠場。東農大は11位で1秒差の予選敗退 |
| 2025年5月・3年 | 全日本大学駅伝関東地区選考会・10000m | 28分30秒25、組12位 | 約1年ぶりの実戦復帰 |
| 2025年10月・3年 | 第102回箱根駅伝予選会 | 1時間2分12秒、全体14位 | 東農大の総合6位通過に貢献 |
| 2026年1月・3年 | 第102回箱根駅伝・2区 | 1時間6分31秒、区間11位 | 2年ぶりの本戦出場。エース区間に挑戦 |
| 2026年10月・4年 | 第103回箱根駅伝予選会 | 1時間1分57秒、全体7位・日本人2位 | 東農大の総合5位通過に貢献 |
大学1年時の2023年10月、前田選手はハーフマラソンを1時間1分42秒で走り、日本人トップとなりました。これが全国的な注目を集めるきっかけの一つです。その後、2024年1月の第100回箱根駅伝では7区を担当しましたが、故障の影響もあり、区間13位という結果に終わりました。
2024年10月の予選会では、前田選手が出走できなかったことも東農大にとって大きな痛手となりました。チームは総合11位。10位の順天堂大学との差はわずか1秒で、本戦出場を逃しています。ただし、この結果を前田選手一人の責任と考えるのは適切ではありません。駅伝は出走する10人全員の結果で決まる競技であり、チーム全体の選手層も問われるからです。
その後、2025年10月の予選会では1時間2分12秒で全体14位となり、東農大の6位通過に貢献しました。そして2026年1月の第102回箱根駅伝では、花の2区を走って区間11位。チームは総合18位となりました。区間賞には届きませんでしたが、故障を乗り越えてエース区間を任されたこと自体が復帰過程の一歩でした。
4年生となった2026年10月17日の予選会では、1時間1分57秒で全体7位、日本人2位を記録。自己ベストの1時間1分42秒には15秒届かなかったものの、チームトップの走りで東農大を総合5位通過へ導きました。2027年1月の本戦出場が決まり、大学生活最後の箱根路へ向かう条件が整っています。
【故障の理由と復帰まで】肺気胸・腰や膝の故障をどう乗り越えたのか
前田選手の大学生活を語るうえで避けて通れないのが、2024年以降に続いた故障とコンディション不良です。10000mで大記録を出した直後から、思うように練習を積めない時期が続きました。
2024年5月の日本選手権10000mで27分21秒52を記録した後、前田選手は肺気胸を発症しました。2024年10月の箱根駅伝予選会では回復途上にあったため出走を見送り、チームのサポートに回っています。当時の日刊スポーツや月陸Onlineの報道でも、肺気胸が欠場の背景にあったことが伝えられました。
肺気胸が発生した具体的な原因については、本人や大学が詳細を公表していません。陸上競技そのものが直接の原因だったと断定できる情報もなく、故障の理由を単純に練習量や走り方だけに結びつけることはできません。
さらに、前田選手は膝や腰の故障にも苦しんでいます。2024年1月の箱根駅伝後に受けた文化放送のインタビューでは、前年11月末に膝を痛め、12月初めには腰にも不調が出たため、十分な準備期間を確保できなかったと振り返っていました。複数の不調が重なり、トラックでの実績を駅伝で発揮することが難しい状況が続いたのです。
復帰への第一歩は、2025年5月24日の全日本大学駅伝関東地区選考会でした。約1年ぶりの実戦となった10000mで28分30秒25を記録し、組12位。スポーツ報知や日刊スポーツによると、当時はまだ万全ではなく、監督も状態を6割程度と説明していました。本人も、久しぶりにチームの一員として走れたことへの喜びを語っています。
その後は、急いで自己ベストを更新するよりも、継続して練習できる身体づくりを優先しました。2026年5月の全日本大学駅伝関東地区選考会では10000mを28分25秒97で走り、最終組の7位。前年の復帰レースから記録を縮め、競技力を取り戻す過程を示しました。
2026年8月5日に公開された東京農大陸上競技部の公式ブログでは、前田選手自身が、故障の頻度が落ち着き、同じ部位を繰り返し痛めることも少なくなってきたと報告しています。また、身体をうまく使うためのトレーニングやドリルに早くから取り組む必要性についても言及しました。
この経験から読み取れるのは、トップ選手の復活に必要なのは、以前と同じ練習をただ再開することではないという点です。身体の状態を把握し、必要な練習を選び、無理なく継続できる形へ調整することが欠かせません。2026年10月の予選会で1時間1分57秒を記録できた背景にも、こうした地道な積み重ねがあったと考えられます。
【2026年最新】最後の箱根路は2区か?卒業後の進路と世界への目標
2026年10月17日に行われた第103回箱根駅伝予選会で、東京農業大学は総合5位、10時間34分33秒で通過しました。これにより、東農大は2年連続72回目の箱根駅伝本戦出場を決めています。前田選手は1時間1分57秒で全体7位、日本人2位となり、チームの予選突破を支えました。
月陸Onlineの報道によると、レース序盤は留学生を中心とした先頭集団についていき、中盤以降は東洋大学の宮崎優選手と日本人トップを争いました。終盤に引き離されたものの、1時間1分台でまとめてチームに貢献しています。本人は日本人トップを目指していたことから悔しさも口にしましたが、最低限の役割を果たせたという手応えも示しました。
そして、前田選手が大学生活最後の箱根駅伝で希望しているのが、エースが集まる2区です。2026年10月20日掲載のTHE DIGESTの取材記事では、6区以外なら対応可能という考えを示しつつ、2区で結果を出したいと語っています。月陸Onlineでも、区間賞争いを目指す意欲が報じられました。
ただし、2区の区間賞獲得は現時点で決まった結果ではありません。出走区間や当日のコンディション、各大学のエースとの勝負によって結果は変わります。前田選手の27分21秒52というトラックの実績は大きな武器ですが、箱根の2区は距離が長く、レース展開への対応力も必要です。
東農大にとっては、シード権獲得も重要な目標です。前田選手が2区で区間賞争いに加わるような走りを見せれば、チームの上位進出を後押しする可能性があります。個人記録だけでなく、大学最後の大会でチームにどのような成果をもたらすかが、今回の箱根駅伝での見どころになります。
卒業後の進路については、2026年8月の東京農大陸上競技部公式ブログで、本人が実業団で競技を続ける予定であることを明かしています。一方、2026年10月20日時点で、所属する企業チームの名称は公表されていません。具体的な企業名が出ていない段階で、特定の実業団への加入が決まったとする情報には注意が必要です。
さらに、前田選手は大学卒業後の目標として、オリンピックや世界陸上でメダルを獲得することを掲げています。これは本人が公式ブログで明言している目標です。学生時代に築いたトラックのスピードを維持しながら、故障を避けて継続的に練習を積めるようになれば、実業団での競技生活はその目標へ向かう重要な段階となります。
前田選手の今後を評価するうえで見るべきなのは、単に次のレースで自己ベストを更新するかどうかだけではありません。継続して練習を積める状態にあるか、長い距離で安定した走りを見せられるか、そして箱根駅伝でチームの目標達成に貢献できるか。この3点が、大学最後のシーズンと実業団入り後の成長を判断する重要な基準になります。
【前田和摩】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:前田和摩の10000m27分21秒52は、どのような記録ですか? A1:2024年5月3日の日本選手権10000mで記録した自己ベストです。当時の日本人学生最高記録、U20日本新記録、U20アジア新記録となり、2026年時点でも日本陸上競技連盟のU20日本記録一覧に掲載されています。
Q2:前田和摩はなぜ箱根駅伝予選会を欠場したことがあるのですか? A2:2024年10月の予選会では、肺気胸の影響などにより出走を見送りました。その後も膝や腰などの故障に苦しみましたが、2025年5月に実戦復帰し、2025年10月の予選会、2026年1月の箱根駅伝本戦へと段階的に競技復帰を進めました。
Q3:前田和摩の卒業後の進路は決まっていますか? A3:本人は2026年8月、卒業後も実業団で競技を続ける予定だと公表しています。ただし、2026年10月20日時点では所属企業の名称は公表されていません。将来の目標として、世界選手権やオリンピックでのメダル獲得を掲げています。
まとめ:【プロの結論】前田和摩の実力と最後の箱根路を見極めるポイント
前田和摩選手は、報徳学園高校から東京農業大学へ進み、10000m27分21秒52のU20日本記録を樹立した実力者です。大学1年時には箱根駅伝予選会で日本人トップに立ちましたが、その後は肺気胸や膝・腰などの故障に苦しみ、トラックで示した能力を駅伝の結果に結びつけられない時期が続きました。
それでも、2025年の実戦復帰から少しずつ調子を取り戻し、2026年10月の箱根駅伝予選会では1時間1分57秒で日本人2位を記録。東農大の総合5位通過に貢献し、2027年1月の大学最後の箱根駅伝へとつなげました。
注目点は、2区で区間賞争いに加われるかどうか、そしてチームのシード権獲得にどこまで貢献できるかです。トラックの記録だけでなく、長距離での安定性、故障からの回復、レース終盤の勝負強さを合わせて見ることで、前田選手の現在地がより明確になります。
卒業後は実業団で競技を続け、世界選手権やオリンピックでメダルを目指す方針です。学生最後の箱根路は、その先の大きな目標へ向かう節目でもあります。記録だけでは測れない復活の過程を経て、前田和摩選手が最後の箱根駅伝でどのような走りを見せるのか、今後の動向に注目が集まります。 (出典: 前田和摩(Yahoo!ニュース))