大相撲の中継で耳にする「三役(さんやく)」という言葉。一般的には大関・関脇・小結の3つの地位を指しますが、日本相撲協会の説明では、待遇や制度の話になると大関を除き、関脇と小結だけを三役と呼ぶ場合もあります。この使い分けを知らないと、番付や給料の解説で混乱しがちです。
2026年10月22日現在、最新の確定番付は9月場所です。9月場所では安青錦が大関に復帰し、藤ノ川が新関脇、伯乃富士が新小結に昇進しました。さらに、2027年1月場所からは力士の月給が改定され、関脇・小結は月額180万円から200万円へ引き上げられる予定です。三役の意味から昇進条件、待遇、千秋楽の伝統まで、最新情報を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 三役の定義:通常は大関・関脇・小結。待遇面では関脇・小結だけを三役と呼ぶ場合がある。
- 2026年9月場所:関脇は熱海富士・藤ノ川、小結は伯乃富士・大栄翔。大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人。
- 2027年1月の月給改定:関脇・小結は180万円から200万円、大関は250万円から275万円に増額される。
【相撲の三役とは?】大関は含むのか、呼び方が2通りある理由
日本相撲協会の公式サイトは、大相撲の三役について、通常は「大関・関脇・小結」を総称すると説明しています。一方、待遇面では大関を除き、関脇・小結のみを三役として扱うとしています。つまり、大関が三役に含まれるかどうかは、何について話しているかで変わるのです。
この違いは、単なる言葉の揺れではありません。番付上の地位を説明する場合と、給与や年寄名跡の襲名・継承などの制度を説明する場合とでは、区分の目的が異なるためです。
また、横綱は三役に含まれません。現在は横綱を別格とし、その下に大関、関脇、小結、前頭が続きます。横綱が三役に含まれると思われがちですが、横綱は三役とは別の最高位です。
歴史的な背景もあります。日本相撲協会の公式解説によると、明治42年(1909年)に横綱が正式に最高位となる以前は大関が最高位で、三役は小結以上を意味していました。現在の番付制度を理解するには、この歴史的な経緯も押さえておくと分かりやすくなります。
実際にニュースや相撲中継で「三役」と聞いたときは、次のように読み分けると混乱しません。
番付や役職の一般的な説明なら大関・関脇・小結の3地位、月給や待遇の比較なら関脇・小結の2地位を指している可能性があります。特に「三役の月給」という表現では、大関の給与と混同しないことが大切です。
【2026年最新番付】大関・関脇・小結の違いと三役の人数
2026年9月場所の番付では、横綱が大の里・豊昇龍、大関が霧島・琴櫻・安青錦という顔ぶれになりました。三役では、関脇に熱海富士と藤ノ川、小結に伯乃富士と大栄翔が名を連ねています。
9月場所の番付トピックスで日本相撲協会が紹介した主な動きは、安青錦の大関復帰、藤ノ川の新関脇昇進、伯乃富士の新小結昇進です。藤ノ川は初土俵から所要22場所で関脇に到達し、協会の記録ではスピード昇進の上位に入る実績を残しました。
この番付を通常の意味で数えると、大関3人、関脇2人、小結2人の合計7人です。一方、待遇上の三役である関脇・小結に限れば4人となります。
関脇と小結の人数は、常に同じとは限りません。相撲協会が関脇・小結の人数を固定定員として公表しているわけではなく、実際の番付では関脇が複数人になることがあります。2024年1月場所から2026年9月場所までの17場所を集計した相撲解説記事でも、小結は毎場所2人だった一方、関脇は2〜4人と変動していました。
大関・関脇・小結の違いを整理すると、次のようになります。
大関:横綱に次ぐ地位で、三役の一般的な呼び方では最上位。関脇・小結より月給が高く、陥落に関する特別な制度も設けられています。
関脇:小結の上に位置し、大関昇進を目指す力士にとって重要な地位です。大関昇進の候補となる力士は、関脇での成績を含む直近3場所の実績を評価されます。
小結:前頭の上に位置する三役の地位です。上位力士との対戦機会が多く、好成績を残せば関脇への昇進を目指せます。新三役は小結から始まることも多く、上位定着への足掛かりとなる地位です。
なお、2026年11月場所の番付は10月26日に発表予定です。10月22日時点で「最新番付」を確認する場合は、9月場所の確定番付と、11月場所の発表前情報を区別する必要があります。
【三役への昇進条件】何勝すれば関脇・小結になれる?陥落の仕組みも解説
三役への昇進には、単純に「何勝すれば必ず上がれる」という一律の公式基準はありません。前頭上位で好成績を挙げることが基本的な目安ですが、現在の番付、同じ地位にいる力士の成績、上位の空き状況などを踏まえて次の番付が編成されます。
例えば、前頭筆頭や前頭2枚目などの上位で勝ち越し、さらに二桁勝利を挙げれば、三役昇進の有力候補になりやすくなります。ただし、勝ち越しや特定の勝利数だけで昇進が保証されるわけではありません。番付は各力士の成績を相対的に反映する順位表だからです。
三役に昇進した後も、地位を維持するには結果が求められます。幕内は原則15日間の取組で、8勝7敗以上なら勝ち越し、7勝8敗以下なら負け越しです。一般的には勝ち越せば番付を上げる方向に働き、負け越せば下がる方向に働きますが、三役に残れるかどうかは周囲の力士の成績にも左右されます。
関脇・小結の場合、負け越せば平幕へ陥落する可能性が高まります。一方、勝ち越したからといって必ず関脇に昇進したり、三役に残留したりするわけでもありません。特に小結は、上位の力士の成績や番付の動きが昇進・残留に影響します。
大関昇進には、三役で直近3場所合計33勝という目安があります。ただし、これは日本相撲協会が明文化した絶対条件ではありません。日刊スポーツの2026年9月の解説によると、2000年以降に大関へ昇進した力士25人のうち21人が33勝以上を挙げた一方、稀勢の里、豪栄道、朝乃山、正代は32勝で昇進しています。勝ち星だけでなく、相撲内容なども含めて判断されることが分かります。
大関には、関脇・小結とは異なる陥落制度があります。大関が負け越した翌場所は「かど番」となり、そこで再び負け越すと関脇に陥落します。ただし、陥落直後の場所で関脇として10勝以上を挙げれば、大関に復帰できる特例があります。
このように、三役への昇進・陥落は成績を中心に決まりますが、大関には独自の昇進判断と復帰制度がある点が大きな違いです。三役という言葉が制度上の区分によって変わる理由も、こうした待遇や昇降制度の違いにあります。
【三役の給料と待遇・特権】2027年1月からの月給はいくら?
三役の給料を考えるうえでは、月給だけでなく、番付ごとの待遇の違いも重要です。関脇と小結の月給は同額ですが、大関になると給与水準が一段上がります。
2026年7月30日、日本相撲協会は理事会で力士の給与・手当などの改定を発表しました。日刊スポーツなどの報道によると、関取の月給改定は2019年以来8年ぶりで、2027年1月場所から適用されます。
次の表は、2026年9月場所の番付と、2026年12月までの月給、2027年1月からの改定後の月給をまとめたものです。
| 地位 | 2026年9月場所の番付 | 2026年12月までの月給 | 2027年1月からの月給 |
|---|---|---|---|
| 横綱 | 大の里・豊昇龍 | 300万円 | 330万円 |
| 大関 | 霧島・琴櫻・安青錦 | 250万円 | 275万円 |
| 関脇 | 熱海富士・藤ノ川 | 180万円 | 200万円 |
| 小結 | 伯乃富士・大栄翔 | 180万円 | 200万円 |
月給の金額は、協会の改定発表を伝えた日刊スポーツなどの報道に基づいています。日本相撲協会の公式サイトでは、給与額の一覧が公表されているわけではありません。
今回の改定では、関脇・小結は月額20万円増、大関は25万円増となります。関脇・小結が1年間同じ地位に在位すると仮定すれば、月給だけで年間240万円の増額です。大関は年間300万円の増額となり、地位による給与差が維持されます。
ただし、力士の収入は月給だけではありません。賞金や懸賞金、力士褒賞金、各種手当などがあり、成績や出場状況によって総収入は変わります。2027年1月からは幕内優勝賞金が1000万円から2000万円へ倍増し、三賞の賞金も200万円から300万円へ引き上げられる予定です。月給改定とあわせて、土俵上の成果が収入に反映される仕組みにも変更が加わります。
待遇面で見逃せないのが、年寄名跡の襲名・継承に関する扱いです。日本相撲協会の公式解説では、横綱・大関と、関脇・小結では条件が異なると説明されています。三役に昇進しただけで、将来の親方としての資格や年寄名跡の継承が自動的に保証されるわけではありません。
つまり、三役は給与や番付上の名誉だけでなく、相撲界でのキャリアを考えるうえでも重要な地位です。ただし、大関と関脇・小結の間には制度上の差があり、「三役」という呼称だけで待遇がすべて同じだと考えるのは正確ではありません。
【千秋楽の見どころ】「これより三役」と三役揃い踏みの意味・由来
大相撲の千秋楽で使われる「これより三役」は、優勝決定戦や横綱同士の対戦だけを指す言葉ではありません。日本相撲協会の公式解説によると、千秋楽の結びの一番を含む最後の3番を指します。この3番は「役相撲」とも呼ばれます。
この最後の3番の前に行われる伝統的な所作が「三役揃い踏み」です。東西それぞれ3人、計6人の力士が土俵に上がり、四股を踏みます。取組の最後を飾る儀式として知られていますが、名称に「三役」とあるからといって、参加者全員が番付上の関脇・小結であるとは限りません。横綱が登場する場合もあります。
「三役揃い踏み」は、最後の3番に出場する力士たちが東西に分かれて四股を踏むものです。番付上の三役という地位と、千秋楽の儀式の名称は、同じ言葉を使っていても意味が異なります。ここも観戦時に間違えやすいポイントです。
さらに、最後の3番には勝者に与えられる伝統的な品があります。最初の取組に勝った力士には「矢」、2番目の取組に勝った力士には「弦」が贈られます。結びの一番の勝者に与えられる「弓」は、その後の弓取式を務める力士が代わりに受け取ります。
日本相撲協会の公式解説では、弓・矢などを勝者に授ける慣習について、武家時代に武具が褒美として渡されていた名残と説明しています。勝負の結果を称える意味に加え、長く受け継がれてきた相撲文化が表れている部分です。
この儀式の正確な起源がいつなのかは明らかになっていません。ただし、読売新聞の明治34年(1901年)5月31日付の記事には「三役の土俵入り」の様子が描かれていたとされ、少なくとも明治期には関連する所作が記録に残っていました。
また、三役揃い踏みは、単に試合前の演出というだけではありません。千秋楽の終盤に、力士が四股を踏む姿を通じて取組への集中を示し、最後の3番を特別なものとして位置付ける意味があります。勝者に矢・弦・弓が与えられる慣習とともに、千秋楽ならではの見どころになっています。
【相撲の三役】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:相撲の三役に大関は含まれますか?
A1:通常の呼び方では、大関・関脇・小結の3つを指します。一方、給与や待遇など制度上の説明では、大関を除き、関脇・小結だけを三役と呼ぶ場合があります。
Q2:三役になるには何勝すればよいですか?
A2:関脇・小結への昇進に、全力士に共通する固定の勝利数はありません。前頭上位で好成績を残すことが基本的な目安ですが、現在の番付や周囲の力士の成績も影響します。なお、大関昇進では直近3場所合計33勝が目安とされていますが、絶対条件ではありません。
Q3:三役の月給は2027年1月からいくらになりますか?
A3:関脇・小結は月額180万円から200万円に増額される予定です。大関は250万円から275万円に増額されます。改定は2027年1月場所から適用されると、2026年7月30日の日本相撲協会の発表を受けた報道で伝えられています。
まとめ:三役の意味・待遇・昇進条件を正しく理解するために
相撲の三役は、一般的には大関・関脇・小結を指します。ただし、待遇や制度上の説明では大関を除き、関脇・小結だけを三役と呼ぶ場合があります。横綱は三役とは別格であり、番付の序列と待遇上の区分を分けて考えることが大切です。
2026年9月場所では、関脇に熱海富士・藤ノ川、小結に伯乃富士・大栄翔が並びました。大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人です。通常の意味では三役は計7人、待遇上の三役は4人という数え方になります。
給与面では、関脇・小結が2027年1月から月額200万円、大関が275万円となる予定です。昇進条件については、三役への昇進に固定の勝利数がない一方、大関昇進では直近3場所33勝が目安とされています。また、千秋楽の「これより三役」は最後の3番を指し、「三役揃い踏み」は東西3人ずつが四股を踏む儀式です。
【プロの結論】三役を理解する際の判断基準は、番付上の地位、待遇上の区分、千秋楽の儀式という3つの文脈を混同しないことです。ニュースで「三役」と聞いたら、まず何の話なのかを確認しましょう。そうすれば、大関との違い、昇進や陥落の仕組み、給与改定、千秋楽の伝統まで、相撲中継や番付表をより深く楽しめるようになります。 (出典: 相撲 の 三 役(Yahoo!ニュース))