大相撲の休場最多記録を調べると、白鵬の232休、鶴竜の227休、照ノ富士の197休という数字が目を引きます。2026年9月場所までの幕内成績を集計したランキングでは、現役力士の最多は高安の167休です。ただし、これらは2013年1月場所以降の幕内における「休」の合計であり、歴代力士の生涯成績を同じ条件で比較したランキングではありません。
さらに、横綱の連続休場記録では稀勢の里の8場所連続休場、貴乃花の7場所連続全休が知られています。休場した日数、休場した場所数、横綱在位中の休場率は、それぞれ意味が異なります。番付への影響や給料、公傷制度の廃止まで整理すると、休場記録から見える大相撲の厳しい現実が分かります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 最多記録:2013年1月~2026年9月の幕内集計では、白鵬232休、鶴竜227休、照ノ富士197休の順。
- 現役最多:高安は167休。日本相撲協会の公式プロフィールでも、2026年9月場所時点の幕内戦歴は167休と記録されています。
- 連続休場:稀勢の里は8場所連続休場、貴乃花は7場所連続全休。休場による番付・収入への影響は力士の地位によって異なります。
【結論】大相撲の休場最多記録は誰?白鵬232休の意味を解説
大相撲の休場最多を考えるうえで、まず区別したいのが「休数」と「休場した場所数」です。
相撲の成績に記載される「232休」は、232場所を休んだという意味ではありません。取組を休んだ日数の合計を示す数字です。15日間すべてを休めば15休となり、途中から休場した場合は休んだ日数に応じて記録されます。
2013年1月場所から2026年9月場所までの幕内成績について、日本相撲協会の過去の星取表を基に集計した「土俵の目撃者」のデータでは、白鵬が232休で最多、鶴竜が227休で2位、照ノ富士が197休で3位です。現役では高安の167休が最多となっています。
ここで重要なのは、このランキングが歴代全力士の生涯休場記録を網羅したものではないことです。集計対象は2013年以降の幕内であり、それ以前の休場や幕下以下での休場を含む通算記録とは比較条件が異なります。
一方、白鵬の232休と鶴竜の227休は、横綱在位中の休場記録として紹介される数字とも一致します。同じ数字が使われていても、集計期間や対象となる地位を確認することが、記録を正しく読み解く第一歩です。
【2026年最新ランキング】白鵬・鶴竜・照ノ富士・高安を比較
2026年9月場所までの幕内集計を基に、休数と休場した場所数を整理します。以下の休数は、集計元が「休」として記録した日数であり、不戦敗とは区別されています。
| 順位 | 力士 | 休数 | 休場した場所数・補足 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 白鵬 | 232休 | 19場所(全休10場所) |
| 2位 | 鶴竜 | 227休 | 19場所(全休7場所) |
| 3位 | 照ノ富士 | 197休 | 19場所(全休7場所) |
| 現役最多 | 高安 | 167休 | 2026年9月場所時点の公式プロフィールでも幕内167休 |
集計対象:2013年1月場所~2026年9月場所の幕内。「土俵の目撃者」の集計および日本相撲協会公式プロフィールを基に整理。
白鵬は232休。圧倒的な実績を残した横綱ですが、長い現役生活の後半には休場が増えました。2013年以降の幕内集計では、休場した場所が19場所に達し、そのうち10場所は全休です。
鶴竜は227休。白鵬に次ぐ休数で、同じく休場した場所は19場所です。横綱在位中にも全休と途中休場を繰り返し、現役最後の時期には故障との闘いが続きました。
照ノ富士は197休。幕内での休場が多かった一方、序二段まで番付を落としてから大関、そして横綱へと復帰した異例の経歴でも知られています。休場の数字だけでは、復帰までの道のりや土俵で残した実績は測れません。
高安は167休。日本相撲協会の公式プロフィールによると、2026年9月場所時点で幕内戦歴は677勝521敗167休、通算戦歴は837勝637敗167休です。長年にわたって幕内上位で戦い続けてきた現役力士の記録として注目されます。
なお、白鵬・鶴竜・照ノ富士の「19場所」は、1日でも休場した場所を数えたものです。232休などの数字とは単位が違います。途中休場が多い力士と全休が多い力士を比較する場合、この違いを押さえておく必要があります。
【歴代横綱の休場率】白鵬と鶴竜、照ノ富士、稀勢の里の違い
休場の多さを公平に比較するなら、合計休数だけでなく、横綱として何場所務め、そのうち何場所を休んだのかを見る方法があります。横綱在位期間は力士ごとに大きく異なるためです。
「大相撲のはてなに効く!観戦ガイド」の横綱在位成績の集計では、休場場所率は次のように整理されています。
- 白鵬:22.6%。横綱在位84場所のうち、休場があった場所は19場所。
- 鶴竜:46.3%。横綱在位41場所のうち、休場があった場所は19場所。
- 照ノ富士:57.1%。横綱在位21場所のうち、休場があった場所は12場所。
- 稀勢の里:75.0%。横綱在位12場所のうち、休場があった場所は9場所。
この比較から見えてくるのは、休数の多さと休場率の高さは必ずしも一致しないという事実です。
白鵬は横綱在位期間が84場所と長く、休場があった場所の割合は約22.6%でした。一方、稀勢の里は横綱在位12場所のうち9場所で休場があり、休場場所率は75.0%に達しています。合計休数だけでは、短期間に故障が集中した力士の苦境を十分に捉えられません。
照ノ富士も休場場所率が高い横綱の一人です。序二段まで番付を落とした時期を経て復活したものの、横綱昇進後も故障による長期離脱を経験しました。休場率の高さは、横綱としての実績が乏しかったことを意味するわけではありません。
また、「休場率」には、休んだ日数を基にするものと、休場した場所の割合を基にするものがあります。集計方法が違えば数値も変わるため、歴代横綱の比較では、同じ定義を使った数字同士を比べることが欠かせません。
【連続休場記録の真相】稀勢の里8場所・貴乃花7場所連続全休
横綱の休場記録で特に知られているのが、稀勢の里の8場所連続休場と、貴乃花の7場所連続全休です。両者は似た記録に見えますが、休場の内容が異なります。
稀勢の里は、横綱として8場所連続で休場しました。2017年春場所の優勝を経て横綱に昇進した後、左胸などの負傷に苦しみ、出場と途中休場、全休を繰り返しました。2018年7月の名古屋場所も休場したことで、1958年に年6場所制が定着して以降の横綱として、連続休場の記録を更新しました。
稀勢の里の特徴は、8場所すべてが全休だったわけではない点です。途中まで出場してから休場した場所も含めて、連続8場所の休場となりました。
貴乃花は7場所連続全休です。2001年夏場所の優勝決定戦などで膝に大きな負担がかかった後、手術や療養を経て長期休場を経験しました。7場所すべてを休んだため、15日制を基にすると105休に相当します。
つまり、連続休場を「場所数」で見ると稀勢の里の8場所が記録となり、「連続全休の場所数」では貴乃花の7場所が代表的な記録です。105休という数字は、7場所連続全休という内容を日数に置き換えたものです。
なお、横綱は休場しても番付が下がる仕組みではありません。そのため、故障からの復帰を目指して休場を続けることが可能な一方、横綱として土俵に立てない期間が長引けば、進退への判断も求められます。連続休場記録には、横綱という地位の特殊性も表れています。
【休場すると番付・給料はどうなる?】地位によって異なる影響
休場した力士の番付や収入がどうなるかは、横綱、大関、関脇以下、幕下以下で違います。ケガによる休場であっても、番付上の影響が自動的に免除されるわけではありません。
横綱は休場しても番付が下がりません。横綱には降格制度がなく、長期休場や成績不振が続く場合は、横綱審議委員会による激励、注意、引退勧告などを通じて進退が問われます。これらは横綱の責任を踏まえた内規上の措置です。
大関は、休場による負け越しが降格につながる可能性があります。負け越した翌場所は角番となり、2場所連続で負け越すと関脇へ陥落します。陥落直後の場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる制度があります。
関脇・小結・平幕・十両は、休場が番付降下につながります。休場は勝敗上の不利を生み、翌場所の番付編成にも影響します。休場後に復帰しても、以前の地位を取り戻すには成績を積み重ねる必要があります。
給料についても誤解されやすい点があります。十両以上の関取は月給制で、休場しただけで月給が直ちにゼロになるわけではありません。ただし、番付が下がって地位が変われば、その後の月給も変わります。
2019年の改定以降、2026年中の関取の月給は、報道ベースで横綱300万円、大関250万円、三役180万円、平幕140万円、十両110万円とされています。日本相撲協会は2026年7月、2027年初場所から給与や手当を改定すると発表しました。改定後は横綱330万円、大関275万円、三役200万円、平幕155万円、十両120万円となる予定です。
一方、三役以上の本場所特別手当は欠場日数に応じて減額され、懸賞金は取組に出場して勝たなければ獲得できません。幕下以下には関取のような月給がなく、場所ごとの手当が収入の柱となるため、休場の経済的な影響も異なります。
【なぜ休場が多い?】故障の実態と公傷制度廃止の影響
大相撲の休場が多くなる背景には、競技特有の身体的負担があります。立ち合いの衝突、押し合い、投げや寄りでの踏ん張りなど、力士は大きな体重と瞬発力を支えながら、膝、足首、肩などに繰り返し負荷を受けます。
スポーツ医学の研究でも、力士の膝前十字靱帯損傷は頻度の高い外傷の一つとして取り上げられています。靱帯の再建手術やリハビリには時間がかかるため、負傷した場所の翌場所にすぐ復帰できるとは限りません。
さらに、大相撲は原則として年6回の本場所があり、1場所は15日間続きます。短期間で回復を図りながら次の場所に備える必要があり、慢性的な故障を抱える力士にとっては、治療と出場の判断が難しくなります。
こうした問題を考えるうえで欠かせないのが、かつて存在した公傷制度です。
公傷制度は、本場所の取組中に負ったケガによる休場について、番付上の不利益を軽減するための制度でした。1972年1月場所に導入され、一定の条件で公傷と認められれば、翌場所を全休しても番付への影響を抑えられる仕組みが設けられていました。
しかし、比較的軽い負傷にも適用される事例が増え、制度の運用や休場者の増加が問題になりました。日本相撲協会は2003年11月場所を最後に公傷制度を廃止し、2004年1月場所から適用されない仕組みとなりました。廃止に伴い、幕内の定員は40人から42人、十両は26人から28人へと増やされました。
現在は、本場所で負傷した場合でも、公傷として番付降下を免れる制度はありません。治療を優先して休場すれば番付が下がる可能性があり、復帰後に再び上位を目指すには時間がかかります。
ただし、公傷制度の廃止だけで休場の多さを説明することはできません。故障の程度、力士の年齢、治療期間、復帰後の競技力、横綱や大関といった地位の違いなど、複数の要因が重なっています。休場を単純に意欲の問題として片付けるのは、記録の実態を見誤ることにつながります。
【大相撲休場最多】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大相撲で最も休場が多い力士は誰ですか?
A1:2013年1月場所から2026年9月場所までの幕内集計では、白鵬の232休が最多です。次いで鶴竜227休、照ノ富士197休となっています。これは対象期間を限定した集計であり、全時代の全力士を同じ条件で比較したランキングではありません。
Q2:横綱の連続休場最多記録は誰が持っていますか?
A2:連続休場の場所数では稀勢の里の8場所連続が代表的な最多記録です。一方、貴乃花は7場所連続全休を記録しており、15日制では105休に相当します。途中休場を含むか、全休だけを数えるかで記録の意味が変わります。
Q3:大相撲は休場すると給料がもらえなくなりますか?
A3:十両以上の関取は月給制のため、休場しただけで月給が直ちにゼロになるわけではありません。ただし、番付降下による将来の月給減額や、本場所特別手当の減額、懸賞金を獲得できないことなど、収入面の影響があります。幕下以下は月給制ではなく場所ごとの手当が基本です。
まとめ:【プロの結論】休場記録は数字の意味と背景で読み解く
大相撲の休場最多記録は、何を基準に比較するかで見え方が変わります。2013年以降の幕内集計では白鵬232休、鶴竜227休、照ノ富士197休、現役最多の高安167休という結果です。一方、横綱在位中の休場場所率では、稀勢の里の75.0%が目立ちます。
また、連続休場では稀勢の里の8場所連続、連続全休では貴乃花の7場所連続という記録が残っています。休場した日数、休場した場所数、休場率は別の指標であり、単純に同じランキングへ並べることはできません。
休場が番付や給料に与える影響、公傷制度の廃止、故障からの復帰に必要な時間まで考えると、休場記録は単なるワースト順位ではなく、力士が競技生活を続けるうえで直面する現実を映す数字です。
記録を比較する際は、対象期間、集計対象の地位、休数と休場場所数の違い、休場率の計算方法を確認すること。この4点を押さえれば、歴代横綱の休場記録も、現役力士の最新データも、より正確に理解できます。 (出典: 大相撲 休場 最多(Yahoo!ニュース))